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zoom RSS AR以外の電脳コイル:古い空間と新しい空間

<<   作成日時 : 2009/06/13 18:49   >>

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AR に触発されて、電脳コイルを見ました。
モチーフはARやハイテクですが、テーマは心理学的な要素を含むと思います。
ARとの関連は、多くのサイトで紹介されていると思うので、
ここでは、視点を変えて、心理学、特にユングとの関連を考えてみようと思います。
以下は全話を見た人向けに記載されます。
当然ネタばれありです。
見てない人は読まない方がいいかもしれません(T_T)


「古い空間と新しい空間」

主人公たちの住む都市には、空間にバージョンが設定されています。
そして、古いバージョンの空間と、新しいバージョンの空間には
ある程度の互換性があるようですが、完全互換ではないため、
様々の不具合が生じ、たとえば、電脳ペットが破損したり、イリーガルが現れたりします。
また、古いバージョンの空間には都市伝説がささやかれ、
ミチコさんという人物にあっちの世界へ連れて行かれたり、願い事をかなえてもらったりするなどの
噂が絶えません。

ではこの古いバージョンの空間とは何でしょうか。
作中では、メガバス社の前にコイルス社が電脳メガネの基礎技術を
開発したことになっています。
その技術はメガバス社と用途が異なり、人間の集合的無意識をサイバー空間に
展開し、意識不明の人の心を修復し、目を覚まさせるといった、精神医療が目的でした。
そのコイルス社製の、集合的無意識空間こそが、古い空間の正体です。
主人公たちが住む大黒市には、コイルス社が作成した集合的無意識の空間が
隠されており、ある道順を通ることで、その古い空間へたどりつく設定になっています。

ここでいう「集合的無意識」はユングの提唱した「集合的無意識」、あるいは「普遍的無意識」と
同じだと考えられます。
ユングは、人間の意識の下に無意識があり、さらにその奥底に人類全体共通の領域が
あると考え、その領域を「集合的無意識」、あるいは「普遍的無意識」と名付けました。
その領域は個人の枠を超えて存在し、個々人が全て共有している領域であり、
かつ、全てつながっているといわれています。

ユングは世界各地の神話、民話、伝承、おとぎ話などに
共通のモチーフがある事に気がつき、人類の文化や地域に依存しない、人類共通の
普遍的要素を元型と名付けました。
そして、その元型が生まれてくるのが、普遍的無意識です。
普遍的無意識は、個々人の無意識がつながって、1つの集合体になっていると考えられ、
集合的無意識とも呼ばれます。

文化や地域が違っていても、たとえば、愛する者と死別した時の
悲しみ、苦しみ、喪失感などは全人類共通です。
その絶望感に耐えられず、あの世へ赴いて、愛する者を連れ戻そうとする
話は世界各国にあります。
(日本だと古事記のイザナミの死、西洋だとギリシャ神話の琴座のオルペウスが代表例です)
作中においても、交通事故で幼馴染を亡くした男の子が、幼馴染をあっちの世界に見出す
シーンが出てきます。
他にも電脳ペットの面影を古い世界にみつけたりしています。

死別など、意識にとどめて置くことがあまりにも辛い感情は、無意識へ忘れ去られ、
さらに、集合的無意識へ蓄積されていきます。
古い空間は、人類の集合的無意識がサイバー空間に展開された領域であるため、
忘れようとする感情が次々に古い空間へ転送されます。
その転送された感情をイリーガルと作中では名付けていました。
亡くなった幼馴染や、電脳ペットもイリーガルだったのではないでしょうか。

一方の新しい空間は、メガバス社が意識との通信に電脳メガネを応用して構築した
意識の空間です。
現実に活動を行い、五感とメガネを使って物事を感じ、喜怒哀楽を表現します。
そこには無意識が入り込む余地はありません。
少しでも干渉しようものならば、ただちに排除されます。
これは現代社会も同じですね。

翻ってみると、赤ん坊の時は物心もなく、意識もなく、
ただただ欲求に従って生きています。
それが大きくなるにつれて、古い記憶を無意識へ追いやり、都合のよい現実だけを
構築し、自分の世界を築いていきます。
失恋や、死別などあまりにも強烈な感情を抱いたときは、集合的無意識のイメージを夢に見ながら
現実に適用をしようと心を使います。
つまり、この現実は、古い空間のバージョンアップであり、
新しい空間といえでも、古い空間の蓄積から成り立っているわけです。

古い空間からの干渉を無理やり排除するのではなく、
共存できればよりよい街づくりができるのだと思います。

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